①の続きです。退院後のお話。
無事に家に着いたものの、ここからが大変でした。
入院期間中のことは、私がいなくても子どもたちの生活がスムーズにいくよう準備万端に整えていったのですが、退院後の生活は全く思い描いておらず・・・
片側だけの松葉杖は使用したことがあるのですが、両手に松葉杖となると、家事のほとんどが困難になることが分かりました。物を持って運べないということが、これほど不便だとは(^^;)
料理は、冷蔵庫から物を出したり、鍋やフライパン、食器等を移動させたりが難しい。お茶を入れても、そのコップをテーブルまで運べないし、パンを焼いてもお皿をテーブルまで運べないという感じです。
洗濯も、洗濯機から取り出した洗濯物を干す場所まで運べない。ハンガーにかけたものを吊るせない。それでも容赦なく増え続けるので一番厄介でした。
買い物も行けないので、ネットスーパーに頼りました。配達してもらったものの、玄関においてもらった段ボールを運べず、しゃがめないので開けて中身を出すこともできず、初回は戸惑ってしまいました。
とにかく一人でできないことが多すぎて・・・家族はみんな忙しく家にいないことが多かったし、細かいことまで一つひとつお願いしないと何もできないのが、ものすごいストレスでした。
もう一つストレスだったのが、寝返りがうてなかったことです。
今までどうやって動かしていたんだろうと思う程、自分の脚が重くて、両手で持ち上げないと動かせない状態がしばらく続いた為、寝てる間も身動きがとれませんでした。それが原因なのか定かではないのですが、もともと抱えていた心臓疾患の症状が夜中に出るようになり、怖くて眠れなくなってしまいました。循環器科に通い、薬を処方してもらい、脚の回復とともに症状はおさまってきました。
車の運転に関しては、左足だった為、術後からOKでした。ただ、脚の付け根から足首まで装具で固定されていて曲げられないのと、脚を自力で持ち上げられなくなってしまった為、乗り降りや運転姿勢を保つことが大変でした。右足だったらきっと運転は厳しかったと思います。
仕事は術後1週間で再開しました。1か月は松葉杖なので、その間お休みするにしても再開するにしても、スタッフの方々やお客様にご迷惑をおかけしてしまいます。それでも、みなさんの温かいお言葉に甘えて、色々助けて頂きながらレッスンを再開することにしました。
スタジオや道具の準備から片付け、お掃除、何から何までみなさん率先して動いて下さり、レッスンで使用する道具等も車で自宅からスタジオまで運んで頂き、私は身一つでスタジオ入りすればいいように整えて頂きました。みなさんのお気遣いのおかげで、家にいる時よりも快適な時間を過ごすことができ、温かさが身に沁みました。
リハビリは、足首の底背屈(フレックス・ポイントの動き)からでした。次に腿を手で引いたり押したりしながら膝の曲げ伸ばし。曲げたり伸ばしたりすると鈍痛があり、思うように動かせません。固まってしまうのが怖かったので、動かせる範囲で動かし、あとはドクターエアのコンディショニングボールでブルブルしたり、スキンストレッチでケアしたりしていました。足首の底背屈と、膝裏のタオルつぶし、膝をのばしたまま足を横や後ろに持ち上げる動きは、少しずつできるようになりましたが、なかなかできなかったのが、脚を前に持ち上げる動きです。力の入れ方が分からなくなってしまいました。
痛みが出てしまったり、GWをはさんだりしたので、リハビリは遅れ気味でしたが、週1のペースで通いました。3分の1荷重から2分の1荷重になり、GW明けには松葉杖が片方になり、手術から5週間後に松葉杖が取れました。
体重が乗せられるようになると、リハビリもきつくなってきたのですが、膝の曲げ伸ばし時の痛みはずっとぬけなかった為、大腿四頭筋を鍛える動きよりも、殿筋群やハムストリングスを使う動きをメインに行いました。
リハビリを兼ねてパーソナルのピラティスレッスンを受けた際に、股関節外旋位にすると、膝の曲げ伸ばしでも痛みが出ないことに気付き、そこからは痛みの出ない外旋位でのトレーニングを多く取り入れるようにしました。膝の捻れが出ないよう、ニュートラルで動くことににこだわりすぎていたので、新たな発見にビックリ!そこからは徐々に筋力が戻り、ニュートラルで動いても痛みが出なくなりました。夏に自宅に搬入したリフォーマーも、リハビリに大変役立ちました。
主治医は、3カ月で日常生活に戻れるとみてリハビリ計画を立てていたようですが、結局リハビリ終了まで5か月半もかかってしまいました。最後までできなかったのが、階段の降りです。痛みがずっと残っていた為、大腿四頭筋の遠心性の収縮が最後まで課題でした。
傷口は、もうほとんど分からない状態です。術後は傷口の周りだけ濃い毛が沢山生えてきて、驚いていましたが、いつの間にか毛もなくなりました。
私の場合、春の手術だったので気候的には最適だったのですが、脚の付け根から足首の辺りまで装具を付けておかねばならないので、夏の手術だと蒸れて大変だと思います。
また、ワイドパンツが必須でした。受診時やリハビリの時など、装具をつけたり外したりしなければならないので、普通のパンツやスウェットだとそれが難しく、買い足しました。男性や若い方は、ハーフパンツを履いている方が多かったですが、年齢的にも脚を出すのに抵抗があったので・・・(^^;)
今は、気温や気圧の変化等で時々痛みが出るものの、日常生活が問題なく送れることに幸せを感じています。「変形性膝関節症になりかけている状態だから、安心しちゃ駄目だよ」と言われているので、怠けられません・・・。関節に負担をかけない為にも、筋力を落とさないようにしなければ。忙しくなると、ついつい自分のことは後回しになってしまうので、自分の身体も労わってあげないとですね。
もう既に忘れかけていることも多いのですが、膝に疾患を抱えている方の参考に少しでもなれば。
他に気になることがあれば、レッスンの時にでも聞いて下さいね。